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エキスパートセミナー

第66回:新潟「閉塞性睡眠時無呼吸症候群と口腔内装置治療:近年のトピックス」

日付:平成28年10月28日(金) 18:00~
会場:日本歯科大学新潟生命歯学部 アイヴイホール

開催日時:平成28年10月28日(金) 18:00~
開催場所:日本歯科大学新潟生命歯学部 アイヴイホール
演 題:閉塞性睡眠時無呼吸症候群と口腔内装置治療:近年のトピックス
氏 名:對木   悟  先生
所 属:公益財団法人神経研究所 附属睡眠学センター
講演内容:近年、閉塞性睡眠時無呼吸症候群(Obstructive Sleep Apnea Syndrome; OSAS)に対する口腔内装置治療のニーズは国内外で高まっています。これはOSAS治療において、歯科医師が重要な役割を担うことを意味し、この治療を成功に導くため、また新しい治療法を開発するためには、まずOSASの発症メカニズムを理解することが大切です。 上気道は「やわらかくてつぶれやすい管」ととらえることができますが、「口腔内が窮屈になる」要因、たとえば大きな舌や小下顎はこの管をつぶす方向に作用し、睡眠時の上気道閉塞が生じるリスクは高まります。逆に、口腔内を窮屈にしないことがOSASの治療や予防となります。 本講演の前半では上気道の特徴とOSAS発症について理解を深めることを目的とします。また、後半では口腔内装置をはじめとするOSAS治療に対する近年のトピックスや知見を整理し、明日からの臨床に役立つ情報をご紹介したいと思います。


第65回:新潟「癌のゲノミクス」

日付:平成28年4月13日(水) 17:30~
会場:日本歯科大学新潟生命歯学部8号館2階会議室

開催日時:平成28年4月13日(水)17:30~
開催場所:日本歯科大学新潟生命歯学部8号館2階会議室
演 題:癌のゲノミクス
氏 名:石川 俊平  先生
所 属:東京医科歯科大学難治疾患研究所 ゲノム病理学分野 教授
講演内容:近年のゲノムシーケンスの技術の進展により疾患をゲノミクスの視点から包括的に見ることが可能となり疾患の病理学的理解は大幅に進んだ。特に腫瘍性疾患においてはがんゲノム解析によりその正確な分類、発癌メカニズム、ドライバー遺伝子などがんの診断・予防・治療に極めて有効な情報が得られる。こうした背景のもと世界の研究機関で大規模ながんのゲノム解析が進み、主要ながん種においてはその分子病理学的な全体像が明らかになってきている。スキルス胃癌の例を紹介しながら、変異シグネチャー・ドライバー遺伝子変異といった概念やそれらと臨床病理学的特性・治療薬開発の可能性との関連について話す予定である。また多くのがん種においそのドライバー遺伝子が明らかになる一方で、現在の創薬技術ではターゲットとすることが難しい標的も多くあり、創薬ポイントの探索・創薬技術の革新が求められる。講演ではこの点に関しても触れる予定である。


第64回:新潟「がん再発・転移に関わる微少環境ニッチとそのターゲティング」

日付:平成27年1月9日(金) 18:00~
会場:新潟生命歯学部8号館会議室

開催日時:平成27年 1月9日(金)18:00~
開催場所:新潟生命歯学部8号館会議室
演 題:がん再発・転移に関わる微少環境ニッチとそのターゲティング
氏 名:來生 知  先生
所 属:横浜市立大学大学院医学研究科顎顔面口腔機能制御学 准教授
抄 録:腫瘍血管が癌進展と転移に大きな役割を果たしていることから血管新生阻害療法は新たな癌の治療法として高い注目を集めている。しかしながら現在の血管新生阻害薬は一過性の効果しか得られていないのが現状である。最近の研究で我々は局所に既存する腫瘍血管からの血管新生が、放射線照射や抗癌剤などによって抑制された際に、骨髄由来細胞の著しい腫瘍内への誘導が起こることを見出した。さらにこれらの骨髄由来細胞により脈管形成が引き起こされることが明らかとなった。骨髄細胞が誘導されるメカニズムには低酸素などの癌細胞周囲の微小環境の変化が重要であり、hypoxia-inducible factor-1 (HIF-1)やstromal cell-derived factor-1 (SDF-1)などの分子が深く関わっており、それらを阻害することで腫瘍の再発が抑制された。この事からがん治療後の微小環境変化により引きおこされる再発のメカニズムが明らかになり、新たな抗腫瘍血管療法の可能性が示唆された。本セミナーではこれまでの結果から再発や転移に関わる微小環境を標的とする創薬へのアプローチなどを最新の知見を交えて解説する。


第63回:東京「画像を用いた研究:定性化から定量化」

日付:平成26年12月11日(木)
会場:日本歯科大学生命歯学部152講堂

開催日時:平成26年12月11日(木) 17:30~
開催場所:日本歯科大学生命歯学部152講堂
演 題:画像を用いた研究:定性化から定量化
氏 名:柿本 直也  先生
所 属:大阪大学 大学院歯学研究科 歯科放射線学教室 講師
抄 録:「画像診断なくして医療は成り立たず」といった言葉がありますが、医療のみならず医学研究においても画像を用いることは有用です。画像診断においては、病変の大きさ、形態、辺縁、内部性状など色々な要素を組み合わせながら診断を進めていきます。そのようにして行った診断の正確性が少しでも上がるよう努めております。しかしながら、これらの要素は診断者個人の裁量で判断されていることが多々あります。そこで、多数の症例からその病変の特徴を抽出し、診断基準を作り上げていく研究があります。それ以外にも、CTにおいては距離、面積、体積の計測は定量値として扱うことが可能です。MRIにおいても半定量値は存在し、これらは数値として扱うことが出来ます。画像情報が数値化されると統計学的検討を行いやすくなり、研究としての結論を導きやすくなります。
本講演では私が行ってきた画像診断に関する研究から、その考え方や手法を紹介し、画像診断研究の定量化へ道筋について述べていきます。


第62回:新潟「リン酸/アルミノフルオロシリケートglass(サブミクロン粒子)コーティング材の予防歯科への展開」

日付:平成26年 1月17日(金)
会場:新潟生命歯学部8号館会議室

開催日時:平成26年 1月17日(金)18:00~
開催場所:新潟生命歯学部8号館会議室
演 題:リン酸/アルミノフルオロシリケートglass(サブミクロン粒子)コーティング材の予防歯科への展開
氏 名:常川 勝由  先生
所 属:日本歯科薬品株式会社 研究部長
抄 録:・リン酸水溶液とアルミノフルオロシリケートglass(サブミクロン粒子)分散液とからなるコーティング材を歯面に塗布/水洗すると、直径約0.1~0.2μm, 厚さ約1μmの無機粒子aggregatesを形成します。(推定成分:CaF2, Ca3(PO4)2, リン酸シリケートglass, 未反応の シリケートglass)
・これにより開口した象牙細管は封鎖され,知覚過敏抑制効果を発揮します。
・コーラ飲料(pH2.7)や人工脱灰液(pH4.5乳酸、酢酸など)の脱灰条件において,粒子層直下の歯質が耐酸性に改質されることが報告されています。
・人工唾液と接触することにより,(9,000ppm NaFと比べ)有意に再石灰化を促進すること, およびglass中の(F成分ではなく)Si成分が石灰化促進に関与することが報告されています。
・耐酸性および再石灰化促進メカニズムの解明,および予防歯科分野への応用と可能性について、ご教示いただければ幸甚に思います。


第61回:新潟「東日本大震災と歯科領域からの社会貢献 -犠牲者の身元確認と福島第一原発事故の線量評価-」

日付:平成25年 11月13日(水)
会場:日本歯科大学新潟生命歯学部 8号館会議室

開催日時:平成25年 11月13日(水)18:00~
開催場所:新潟生命歯学部8号館会議室
演 題:東日本大震災と歯科領域からの社会貢献
-犠牲者の身元確認と福島第一原発事故の線量評価-
氏 名:鈴木 敏彦 准教授
所 属:東北大学大学院歯学研究科 歯科法医情報学分野
抄 録:2011年3月11日に発生した東日本大震災においては,発災直後から東北大学に所属する多数の歯科医師による犠牲者の身元確認支援が行われた。また2012年の夏からは福島第一原子力発電所事故に伴う放射線の影響を評価する目的で,動物の骨や歯,脱落・抜去したヒトの歯などを試料として体内への放射性物質の取り込みを解析するプロジェクトが開始された。演者は初期段階からこれらの取り組みに加わり,現在でも継続して活動を行っている。本発表では宮城県における歯科的身元確認作業および東北大学による福島第一原発事故の線量評価事業の経過と現況を報告するとともに,現場の活動を通して浮上してきた歯科的観点からの課題について考察する。日常の臨床や基礎研究とは異なった側面での歯科医師としての活動の一端を紹介し,歯科領域での社会貢献について考えていきたい。


第60回:東京「成体海馬における神経新生と精神機能への影響」

日付:平成25年 3月8日(金)
会場:日本歯科大学生命歯学部 152講堂

開催日時:平成25年 3月8日(金)18:00~
開催場所:日本歯科大学生命歯学部 152講堂
演 題:成体海馬における神経新生と精神機能への影響
氏 名:大内靖夫
所 属:中部大学 実験動物教育研究センター 生命医学学科 遺伝・実験動物学教室 助教
抄 録: 近年、成体においてニューロンは側脳室、海馬歯状回において新生されることが明らかになっている。特に海馬は認知機能を司る領域であることから、成体海馬における神経新生と精神疾患の関連性が注目されている。
我々はこれまでに統合失調症の発症との関連性が指摘されていた、miRNAの生合成に不可欠な分子であるDgcr8遺伝子に着目し、解析を行ってきた。その結果、成体Dgcr8遺伝子ヘテロ欠損マウスの海馬歯状回では神経幹細胞の増殖および神経新生が低下し、海馬依存性の学習・記憶が障害されていることが明らかになった。またマイクロアレイを用いた網羅的遺伝子発現解析結果から、分泌性因子Xに着目して解析を行った結果、因子Xは、Dgcr8遺伝子へテロ欠損マウスの神経幹細胞の増殖および空間作業記憶の異常を改善できることが明らかになった。
本セミナーでは海馬における神経新生の生理的意義について最近の知見を含めて概説したい。


第59回:新潟 「三叉神経一次感覚ニューロンの伝達機構や発生について」

日付:平成24年9月28日(金)
会場:日本歯科大学新潟生命歯学部8号館会議室

開催日時:平成24年9月28日(金)18:00~19:00
開催場所:新潟生命歯学部8号館会議室
演 題:三叉神経一次感覚ニューロンの伝達機構や発生について
氏 名:市川 博之 教授
所 属:東北大学大学院歯学研究科 口腔機能形態学講座 口腔器官構造学分野
抄 録:三叉神経節にはさまざまな大きさの一次知覚ニューロンが存在することが知られている。小型の細胞体を持つニューロンの形態や機能は、これらのニューロンに特異的に含まれる神経ペプチドの免疫染色により明らかにされてきた。その結果、三叉神経節における小型ニューロンは細い軸索や自由神経終末を持ち、痛みを伝えると考えられている。一方、大型のニューロンに特有の物質は発見されていなかったため、それらのニューロンの軸索の太さや終末形態については明らかにされておらず、これらの機能も不明なままであった。本研究では、カルシウム結合蛋白の免疫染色により、三叉神経節の大型ニューロンが太い軸索や小体終末・自由神経終末を持ち、触覚・圧覚だけでなく、痛覚も伝えていることを明らかにした。また、様々な刺激に対するセンサーであるイオンチャネルの分布を調べることにより大型ニューロンの詳細な機能についても検討を加えた。さらに、これらの三叉神経節における大型ニューロンや三叉神経中脳路核における固有感覚受容ニューロンの発生についても発表する予定である。